海外勤務医になる?医師転職の海外事情

医者のキャリアアップ転職には、さまざまな方法がありますよね。
海外勤務医という選択肢も、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
でも、どこでも働けるわけではないだろうし、医師資格はどうするのか?など、色々な疑問がわいてきますよね。

そこで今回は、海外勤務医として転職を考えている、あなたの疑問に注目。
海外勤務医として働く方法やお国事情など、知りたい情報満載でお伝えしますので、ぜひ参考にして下さいね。

海外勤務医として転職するなら知っておきたい海外事情

海外では、日本の医師免許を切り替えることで働ける国と、現地の医師免許が必要な国があります。
ボランティアもあれば臨床研修など、働き方もさまざまです。
(※詳しい内容については、こちらを参考にしてください。)

ここでは、海外勤務医として転職するさいの、働き方医師免許の取得方法などについてご紹介します。
日本人医師が、医師免許を取得できる国は限られています。その中で、アメリカ・イギリス・オーストラリアを例に挙げて説明しますね。

日本の医師免許適用ケース

日本の医師免許を持っていれば、ライセンスを切り替えることで、働ける国や条件があります。
ここでは、海外で日本の医師免許で働ける、代表的な3つのパターンを見ていきましょう。

  • 二国間協定制度で定められた診療の場合
  • JICAなどの公的派遣で国際協力
  • 民間ボランティアで現地政府の許可

二国間協定制度を利用して海外勤務医になる

医師免許協定は、4か国の間で締結されています。
イギリス・フランス・シンガポール・アメリカのうち、アメリカについては今のところ、適用されていないようです。イギリスやフランス間では、人数が数人に限定されています。イギリスは、日本人会などからの要請による場合のみで、公的病院から外務省による選抜が行われます。
海外勤務医として転職するには、ちょっと非現実的な感じがしますよね。

しかし、シンガポールについては2002年に新しい取決めが締結されました。
そのため転職の門は、他の国よりはいくらか広そうですよ。
日本の医師免許を持っていれば、無条件でシンガポール政府へ医療行為の申請が可能です。
ただし、また人数制限があって、許可が得られるのは15人までとなっています。
自由な開業も認められているようです。
日本の医師免許適用ケースについては、こちらをご覧ください。

JICAなどの公国際協力で海外勤務医になる

海外の自然災害や、人為的災害などが起きた地域に派遣されます。
登録→審査→研修→最終審査→本登録という、長い過程の末、採用が決まるようです。
医療チームの選考がありますが、自発的な申出も受け付けてもらえるようです。災害がない限りは、普段の業務に従事しているので、一般的な転職とは少し違いますよね。
※詳しい内容については、こちらをご覧ください。

民間ボランティアで現地政府の許可を得て海外勤務医になる

在日大使館や相手国の政府から、医療行為の許可を得た、ボランティア団体があります。
そのような団体に所属すれば、海外勤務医として活躍することができますよね。転職先としては、次のような団体があります。

各団体によって、活動地域やプロジェクト内容・参加条件などが違います。
自分の求める医療ができる団体を探すことが、転職成功のカギとなりそうですね。

そのほか、在外公館からの要請があった場合も、このカテゴリーに含まれます。

現地の医師免許が必要なケース

海外勤務医になるには、基本的にはその国の医師免許が必要です。
ここでは、現地の医師免許を取得する方法について説明していきますね。
海外の医師免許を取るには、「臨床研修」または「研究留学」という方法があります。

国によっても条件などが異なるので、詳しく見ていきましょう。

✔研修留学

研究留学をするには、大学院で学位を取得している必要があります。
研修生/研究生という立場ですので、働くというよりは、勉強することが主な目的となります。
留学先の確保が必要なので、医局や病院などのコネクションで、留学先があると助かりますね。

留学ですから、現地の言葉や英語を話せることに越したことはありません。
でも、語学試験の受験やスコアの提出は、必ずしも必要ではありません。
国によっては、医師資格に臨床研修が必要でない国があります。そういった国では、資格試験だけで現地の医師免許を取ることも可能です。
海外勤務医としての転職が近づいてきた感じですね。

✔臨床研修で海外の医師免許取得を目指す場合

日本人が海外勤務医として働くことができるのは、アメリカ・カナダ・イギリス・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ・スイス・デンマーク・フィンランドなどです。

ここでは転職先の候補として、アメリカ・イギリス・オーストラリアを例に説明しますね。

アメリカ

アメリカでは、医師免許が州ごとに発行されるので、各州の資格試験や審査を受ける必要があります。「USMLE(United States Medical Licensing Examination)」と言 われる3段階に分れた試験で、目的によって目指す段階が違います。

  • 勤務医として働く場合 ☞ Step2 までの合格が必須
  • 開業する場良い ☞ Step3までの合格が必須

上記の試験に加え、アメリカ国内で1年~2年の臨床研修も必要となります。外国  籍を持つ医師の、医師免許取得を制限している州もありますので、確認が必要です  ね。

アメリカでは、日本のように経験や年次で給与が変わるのではなく、専門の科によって違いがあるようです。圧倒的に年収が多いのは「外科」で、なかでも心臓外科の評 価が高い、と言われています。
次いで、麻酔科、内科、産婦人科、精神科と続くようです。アメリカで海外勤務医の転職を目指すなら、専門科の違いにも注目しておくと良さそうですね。

イギリス

イギリスで臨床研修をする場合は、GMC(General Medical Council) へ医師登録が必 要です。登録には、IELTS(語学試験)で高い英語力の証明と、「PLAB」(資格試験)の合格、研修先の確保も必要です。医師登録をした外国人には、イギリス永住権の取得のさいに、優遇される措置があるようです。転職だけでなく、海外移住も考えられそうですね。

イギリスの、家庭医療に関わる医療費の構造は、ちょっとユニークです。「包括診療費」と「評価診療費」の2つから成っています。包括診療費は、患者一人に対する金 額で、地域や階層によって異なります。おもしろいのが、評価診療費です。診療後の患者の病状次第で、評価が変わってくるという仕組みです。ですから、患者が健康になればなるほど、医者の収入が増えるというわけです。インセンティブがつく感じですね。また、一緒に働く看護士やスタッフからの評価や満足度も数値化されます。相手に対するリスペクトを持って働く、という環境が浸透しているようですね。

オーストラリア

オーストラリアでは、「Medical Board of Australia」への登録が必要です。登録には学力のみならず、臨床経験や英語力の資格試験を受けて、条件を満たさなければいけ ません。もし、オーストラリアの医科大学を卒業できれば、実技審査のみで登録ができるようです。どちらにしても、海外勤務医となるには、高い英語力が必須のようですね。

オーストラリアでは診療科によっても異なりますが、シフト制で働く医者の労働環境 は、とても魅力的です。たとえば、3日の日勤(8時~18時)の後、3日の夜勤(18時~9時)を終えると6日の休日。そして、年に5~6週間の有給休暇を取ることは、ほぼ義務となっています。

オーストラリアでは、労働時間が厳しく管理されているんですね。こんな環境に慣れてしまっては、日本の労働環境には戻れなくなりそうですね。転職先としては、かなり魅力的な環境ですよね。

残念ながら、フランスやドイツでは日本人が医療研修を行うことは、例外を除いて原則的に認められていないようです。ヨーロッパでは、海外勤務医として転職することが難しそうですね。
※海外の医師免許取得に関する詳しい内容については、こちらをご覧ください。

まとめ

海外勤務医として転職するには、日本の医師免許で働く場合と、海外の医師免許を取る方の2つがありましたね。
日本の医師免許だけなら、海外ボランティアとして働くのが現実的でした。海外の医師免許を取るには、研修留学と臨床研修が選択肢です。各国の定める医師資格や、高度な語学力も求められます。

  • アメリカ:州ごとに医師免許を発行
  • イギリス:登録制
  • オーストラリア:登録制
  • フランス・ドイツ:原則、医師免許は取得不可

海外勤務医を目指す転職には、さまざまなハードルを超えなければいけません。しかし、その苦労が報われるような、かけがえのない経験が期待できるのではないでしょうか。

【JMC】日本メディカルコネクション


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