医師が転職を考える理由

「転職」という言葉が頭をよぎった時「今、私が別の職場に移っても大丈夫なんだろうか」という疑問も同時に浮かんだのでないでしょうか。
加えて職場の上司や同僚、また患者さん達に対する感謝の気持ち。
でも、今の病院にいたい気持ちより、逃れたいから転職をしたいと思うのですよね。

他の人たちはどうなのでしょうか?
そこで、この記事では年代に応じて、他の医師たちがどんなきっかけで転職を考えるのかを見ていきます。
転職を検討する際の参考にしてみてください。

年代別にみる医師の転職理由

医師が職を変えたいと思うきっかけはさまざまですが、年代によって理由も異なります。
ここでは医師のキャリアを以下の4つのステージに分けて、それぞれの年代が抱える悩みを明らかにしながら要因を探っていきます。

  • 後期研修~30代半ば
  • 30代半ば~40代前半
  • 40代半ば~50代前半
  • 50代後半以降

それでは詳しく見ていきましょう。

▶後期研修~30代半ば

このステージで活躍している人は体力にも余裕があり「働き盛り」の真っただ中です。
「多少無理をしてでも経験を積むぞ!」という男性や「開業することが私の目標だ!」という女性など、バイタリティーに溢れたこの年代では「スキルアップに繋がる転職」が多い傾向にあります。

理由その1:医局から逃れたい

医局で働く医者の多くは不安だらけです。
複雑な人間関係から来るストレスや、珍しい症例はあっても症例数が限られていることから、「このままでは十分な経験が得られないのでは」という焦りや不安を常に感じています。
このような人は医局へ留まることのメリットを捨ててでも、自分のキャリアプランへ向けて「医局を出る決心」をするのです。

理由その2:転科したい

このステージの女性は、妊娠や出産などを迎え、キャリアプランを考えるきっかけとなる時期でもあります。
そんな人が重視するポイントと言えば「育児や家庭との両立」。
ライフスタイルに合わせた働きやすい環境を求めて、転職を考えるという女性が多いのも納得ですよね。

▶30代半ば~40代前半

このステージでは医局内と医局以外の病院という環境によっても動機が違いますが、なかでも多いのは次の3つの理由です。

理由その1:スキルアップ・開業に向けたノウハウ習得

転科するには年齢的にこの時期が最後のチャンスと考えられます。
「幅広い知識を得ることで、違った視点から患者へのアプローチができる!」と更なるスキルアップを求める人。
また将来の開業に向けて「経営」のノウハウも同時に学びたいと思う人。
学びへの意欲が最高潮に達している人が目立つのも、この時期です。

理由その2:激務の割に低給与

このステージでは経験やスキルが豊富な人が多いため、当直・オンコールなど過労死の基準を超える残業時間で働いているという人も少なくありません。
身を粉にして働いている割には給料が低すぎないかと疑問に思うのも当然です。
「働き方と待遇」を見直す機会ととらえて、給与アップのための転職も1つの選択肢です。

理由その3:家庭・生活事情の変化

このステージ辺りからは男女問わず、医師という立場とともに「親」「夫」「妻」という家族の中での役割へも重心が移っていきます。
子供の通学やの自分の通勤時間など、「家庭」を中心とした生活を送りたいという気持ちは医者だって同じです。
また女性にとっては人生の大きなイベントも、まだまだ続きますので「一人の人間」として自分や家族のことに目を向けた転職と言えるのではないでしょうか。

▶40代半ば~50代前半

このステージになると、男女ともに体力的な負担やライフスタイルの変化などが転職の理由として多くなってきます。

理由その1:体力の限界

この段階でも救急指定病院や一般病院で働く医師たちは激務に追われています。
しかし、そろそろ体力が続かなくなってきたと実感し始める人が多くなるのもこのステージからです。
「まだまだ頑張れる」と心は若い頃と同じなのですが、身体は悲鳴を上げているかもしれません。
自分自身の健康は後回しになりがちですが、身体あっての仕事ですから穏やかな働き方を考えるようになります。

理由その2:ライフスタイルの変化

この頃になると医師たちの親も高齢となってきます。
そのため、一人暮らしをしている親のことが気がかりだったり、介護が必要になったりと心配ごとが増えてきます。
自分のために頑張ってきてくれた親のそばで医者として出来る限りのことをしたいという思いは、人一倍ではないでしょうか。
実家から遠い所で働いている人は転居を考えるきっかけとなるでしょう。

理由その3:地元への貢献や後継者の育成

「地元」への熱い思いで転職を考えるケースです。
地元から遠く離れて働いていた医師たちが専門性を活かして「地元へ貢献したい」「地元での後継者を育てたい」と思うようになります。
お世話になった地域や人たちのために働くことで、今までとは違った「やりがい」を感じる人が数多くいます。

▶50代後半以降

医師には定年がありませんが、ずっと若い頃のペースで働くには限界があります。
このステージでは家庭事情に加え「体力の低下」や「いつリタイアするか」を考えて別の仕事に移るのが主なパターンです。

理由その1:親の介護などの家庭事情

このステージでも、引き続き家庭環境が大きく影響しています。
この年代で重要なポイントの1つは「親の介護と両立できる職場環境」。
仕事に捧げる時間よりも、親や家族と過ごす時間を確保したいという気持ちを優先したいのでしょう。

理由その2:プライベートの充実

心身ともに余裕のある働き方を選ぶプライベート重視の転職。
今まで家族との時間や自分の趣味などに費やす時間を削って働いてきたけれど、やっと充実したプライベートを送れるようになったと思えるステージですよね。
「大切な人たちと大切な時間を過ごす」そんな、ゆとりのあるライフスタイルが待っています。

理由その3:加齢のため勤務内容を変更

60歳前後になると体力の低下も著しくなってきます。
そのため医者を続けるにしても、体力的に無理のない勤務時間や環境で働くことが必要になってきます。
また家族の意向も聞きながら、自分自身も周りも幸せでいられる生活がベストな選択ではないでしょうか。

まとめ

医師が転職を考える理由は年代によって置かれている環境や状況が違うため、それぞれ特徴があることが分かりましたね。

  • 40代までは医局からの脱却やスキルアップのため
  • 女性は、人生の一大イベントを迎え家庭との両立実現のため
  • 40代以降は、キャリアアップや開業またはワークバランス改善のため
  • 50代以降は、負担軽減や家庭事情の変化あるいは地元への貢献のため

あなたがキャリアの中でどのステージにいるのか、何のために行うのかという明確な目的を持つことが前向きな転職に繋がるポイントとなるでしょう。


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