医師転職率の実態は?就職件数・転職理由から解説

医師の転職率は、どの程度なのでしょうか?
なんとなく「転職率が高い」イメージはあっても、転職市場の実態までは知らない場合が多いでしょう。

医師に限らず、転職市場は活性化しています。

新卒から定年まで勤め上げる時代は終わり、やりたい仕事やライフスタイルから、自分で働き方を選ぶ時代になったからです。

このページでは、医師の転職率の実態を、就職件数や転職理由などから紐解いていきます。

医師の転職市場は活性化している

まずは医師の転職市場の実態を見ていきましょう。

厚生労働省のデータを引用します。
厚生労働省が、転職エージェントなどの職業紹介事業者から集めたデータによると、平成27年度の求人数・就職件数は、おおむね増加傾向にあるようです。

*引用
民営職業紹介事業者の運営状況

求人数(常用求人)・・・・ 約557万件(対前年度比 8.7%増)
(1)有料職業紹介事業 4,656,492件(対前年度比 6.6%増)
(2)無料職業紹介事業 910,267件( 同 20.8%増)

就職件数(常用就職)・・・・ 約60万件(対前年度比 7.0%増)
(1)有料職業紹介事業 557,554件(対前年度比 7.6%増)
(2)無料職業紹介事業 38,247件( 同 0.8%減)

引用:平成 27 年度職業紹介事業報告書の集計結果(厚生労働省)

ちなみに医師の新規求職申込み数(有料)に限定すると、平成26年度が84,909件だったのに対し、平成27年度は113,546件と、33.7%も増加しています。

医師の転職市場は年々活性化していると思って間違いないでしょう。

医師の転職理由

では、なぜ医師は転職するのでしょうか?
ここからは主な医師の転職理由を紹介します。

労働時間が長い

医師が転職する理由として、真っ先に挙げられるのは労働時間の長さです。
厚生労働省が行った調査によると、病院勤務医の約30%は、過労死ラインとされる「月80時間残業」を超えています。

*引用
病院勤務医の月間残業時間の割合
・80~120時間:18.4%
・120~160時間:11.6%
・160~200時間:6.0%
・200~240時間:2.7%
・240~時間:1.8%

引用:医師の働き方改革について(厚生労働省)

以下は、診療科別の勤務時間です。

*引用
診療科別勤務時間(勤務医(常勤))

診療科診療+診療外 当直・オンコール
内科系 51.7 12.6
外科系54.716.5
産婦人科50.622.8
小児科50.216.0
救急科55.918.4
麻酔科49.116.7
精神科43.611.9
放射線科51.910.2
臨床研修医53.713.5

引用:医師の勤務実態及び働き方の 意向等に関する調査(厚生労働省)

上記はあくまでも勤務医の統計ですから、常勤、非常勤、開業医などによって労働時間は異なりますが、傾向は伺えます。

「医師の労働時間は長い」というのは事実と思っていいでしょう。

家族との時間(プライベート)を確保できない

労働時間が長いと、プライベートの時間は確保できない。これは医師もほかではありません。

事実、厚生労働省の調査によると、女性医師は子育てに入ると、時短勤務などを希望する場合が多く、休職・離職も経験するそうです。

*引用
育児中の働き方(常勤医師)

○ 男性医師は、未就学児の育児中、子育て前と同じ働き方を希望する割合が最も多く、実際に子育て前と同じ働き方をしている割合は約8割。

○ 女性医師は、「時間短縮勤務」「勤務日数減」「業務内容軽減」を希望する割合が多い。また、現在常勤医師の1割、非常勤医師の4分の1が「休職・離職」を経験。

引用:医師の勤務実態及び働き方の 意向等に関する調査(厚生労働省)

医師のような替えのきかない職種は、一般企業のような産休を取りづらいため、働き方自体を変えざるを得ない現実があります。

職場の人間関係に不満がある

職場の人間関係に対する不満も、医師の転職理由のひとつです。

医師のキャリアは、病院長や医局のトップの考え方によって左右されることが多く、人間関係がうまくいかない場合は、思わぬ回り道を強いられてしまいます。

また、「病院関係者や同僚との関係が良好でない」も転職理由になりえます。

大学病院・医局に不満がある

大学病院のような大きい組織で働く場合、自分の思惑通りに事が進むケースはほとんどありません。

事前の根回しなど、通常業務とは別の動きを求められ、それに嫌気が差して転職するケースも見受けられます。大学病院や医局の考え方を変えるのは難しいので、自ら職場を変えようと思っても不思議ではありません。

開業のため、多様なキャリアを積みたい人

将来的な開業を目指す医師は、病院で働く目的がはっきりしています。
「できるだけ多くの経験を積み、多くの人脈を作って開業に活かしたい」です。

開業というゴールから逆算すると、「ひとつの病院で働き続ける」は得策ではなく、いろんな病院で働いて、多様な経験を積みたいと考えるのは必然でしょう。

勤務先によっては給料が相場より安い

最後の転職理由は、給料です。

一般的に、医師は高収入のイメージですが、たとえば大学病院は、一般病院に比べて給料が安い傾向にあります。職場によっては相場の半額の場合もあり、それが理由で転職する医師もいます。

激務に見合った収入をもらえるかどうかも、医師の職場選びのポイントです。

まとめ

医師の転職市場は、年々活性化しています。
働き方が多様化し、自分自身でキャリアを形成する時代になったからです。

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